OTC医薬品 ~痛み止め~
薬剤師ライターのみきです。
今回は痛み止めのお薬についてその種類と使い方を解説していきます。
OTC医薬品でよく使われているものの中には痛み止めがあります。
皆さんも何度かは使ったことがあるのではないでしょうか。
『痛み』というのは、うっとおしくて辛いものですよね。
私も自宅には市販の鎮痛薬が常備されています。
あちこちのカバンにも (笑)
症状があってから病院へ行ったり、買いに行ったりしていては薬が自分の口に入るまで辛い時間を過ごさなければなりません。
それは・・・イヤですよね。
常備していれば、自分にあった痛み止めをサッと飲むことができるし、痛くなってもすぐに対応できる安心感もあります。
『でも、痛みどめってたくさんあってどれが良いのか分からない』
『クセになるとイヤ!』
など、少し痛み止めに対して抵抗がある方もおられるのではないでしょうか。
ひとくくりに痛みと言っても、様々なものがあります。
頭痛や関節痛、歯痛など。
女性なら生理痛の痛みは無視できませんよね。
全ての痛み止めがどんな痛みにも効果があるわけではないので、
まずは痛み止めの種類や成分がどんな効果があるのかを解説していきます。
『痛み止め』の種類
鎮痛薬には大きくわけて2つあります。
1つは『脳に働きかけて、痛みの感覚を麻痺させる』もの。
これはOTC医薬品で市販はありません。
病院で使われたり、処方されたりするものです。
がん治療で使われる麻薬性の鎮痛剤のことを指します。
2つめが、『痛みのもとをブロックする』もの。
これが私たちが日ごろ使っている痛み止めです。
今回は2つめの痛み止めについて解説していきます。
<効き方から見た分け方>
痛みのもとをブロックする痛み止めは、
『炎症を抑える作用があるもの』と『痛みの原因となるものを抑える』ものがあります。
1. 炎症を抑える効果のある痛み止め
患部の炎症が原因となって痛みが起こってる場合に効果を発揮します。
痛みの種類としては、頭痛や生理痛、歯痛、肩こりなど。
2. 痛みの原因となる症状を抑える効果のある痛み止め
下痢なによって起こる腹痛など、腸が収縮することによって起こる痛みなどは腸の働きを正常に戻すことによって痛みを和らげます。
<成分から見た分け方>
大きく分けて2つの種類があります。
ひとつはピリン系のもの、もうひとつは非ピリン系です。
ピリン系の痛み止めの成分は『イソプロピルアンチピリン』という成分が含まれています。商品名ではセデスハイやサリドンなどがこれに該当します。
非ピリン系には以下の成分が含まれているものをいいます。
- アスピリン⇒商品名:バファリン
- エテンザミド⇒商品名:セデスV
- アセトアミノフェン⇒商品名:タイレノール
- イブプロフェン⇒商品名:イブ
- ロキソプロフェン⇒商品名:ロキソニン
それぞれの成分の特徴を見てみましょう。
~アスピリン~
痛みを抑えたり、熱を下げる効果は強い。
但し、胃腸に負担がかかったり血が固まりにくくなることがあります。
妊婦さんや喘息がある方、15歳未満の方でインフルエンザやみずぼうそうに伴う熱などの場合は使えません。
~エテンザミド~
アスピリンよりも効果が弱いが胃腸障害などの可能性も少ない。
他の成分と一緒に配合されていることが多い。
15歳未満やインフルエンザに伴う症状には使えません。
~イブプロフェン~
炎症を抑える効果に優れています。
子宮への移行性(お薬がその場所に届く性質)が高いので生理痛に用いることが多いです。
喘息がある方や15歳未満、妊婦さんには使えません。
~ロキソプロフェン~
痛みを抑える効果が出るのが早いのが特徴です。
胃腸への負担も少ないお薬ですが、妊婦さんや15歳未満、喘息の方、手や足に内出血の症状が出やすい方には使えません。
~イソプロピルアンチピリン~
OTC医薬品では唯一のピリン系のお薬です。
他の成分と一緒に配合されることがあり、強い痛みに効果を発揮します。
しかし、このピリン系の成分はピリンショックと言われるアレルギーを起こすことがあるので注意が必要です。妊婦さんには使う事ができません。
~アセトアミノフェン~
炎症を抑える効果はありません。
比較的安全性が高いので、子供さんや高齢者の方、妊婦さんなどにも使うことができます。胃腸への負担も少ないお薬です。
但し、肝臓の治療を受けている方などは注意が必要です。
どれを使えばいい?上手な使い方
痛み止めとひとくくりにしても色々な成分が市販のお薬には含まれています。
では、それらをどのように使えば良いのかを解説します。
症状が比較的軽い場合についてはアセトアミノフェンやアスピリンなどの成分がひとつ(単剤)だけ入っているものを使うようにしましょう。
症状がやや強い場合はイブプロフェンやロキソプロフェン単剤のものやアセトアミノフェンやアスピリン、イブプロフェンそれぞれとカフェインが配合されたものを使うようにしましょう。
<ほかの成分が配合されている痛み止め>
市販の痛み止めの中には痛みを抑える成分の他に様々な役割を持つ成分が含まれていることがあります。
症状の強さや体調などによって使い分けが必要です。
痛み止めの成分がイブプロフェン
イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮静剤+制酸剤
⇒イブクイック頭痛薬
イブプロフェン+カフェイン+催眠鎮静剤
⇒イブクイックA錠、イブクイックA錠EX、セデスキュア、ノーシンピュア
痛み止めの成分がアセトアミノフェンとエテンザミドでそのほかの成分も含まれているもの
アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン
⇒ノーシン、ノーシンホワイト
アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン+制酸剤
⇒セデス・ファースト
アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン+催眠鎮静薬
⇒新セデス錠、サリドンエース、ナロン
他の成分って・・・何???
気になりますよね・・・。
制酸剤とか催眠鎮静剤とかカフェインとか・・・。
解説していきます。
催眠鎮静剤
痛みを抑える効果を強くするために配合されています。
痛みが比較的強く出ている場合や痛みの苦痛が強くイライラしてしまう場合に効果的です。ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素などがこれにあたります。
但し、催眠鎮静剤という名前から想像できるように眠気がでる場合があるので注意が必要です。
制酸剤
胃酸を中和することで胃を保護し、痛み止めによる胃への負担を和らげる目的で配合されています。
主なものは酸化マグネシウムや乾燥水酸化アルミニウムゲル、ダイバッファーHT(合成ヒドロタルサイト)などがこれに該当します。
カフェイン(無水カフェイン)
鎮痛補助成分として使われています。
疲労感や眠気を取る目的で配合され、片頭痛に効果を発揮します。
痛みが強く、頭がぼんやりする場合などに使うと症状が緩和されます。
但し、喘息の方やカフェインを栄養ドリンクで多く摂ってる人は控えたほうが良い場合があります。
痛み止めってクセになる?
痛み止めをずっと使っているとそれが無いと症状が治まらなくなったり、効かなくなったりするから・・・と、痛みを我慢している人も多いのではないでしょうか。
結論からすると、現在市販されている痛み止めにはクセになる成分は存在しません。
クセになるイメージはがんの痛みなどに使われる麻薬性の痛みどめの影響です。
麻薬性の痛み止めは市販などでは販売されていません。
したがって、クセになってしまう(習慣性)を心配する必要がありません。
但し、必ず説明書の用法や量を守って飲むことが前提です。
効かなくなることはある?
痛みがおさままらないと精神的にも身体的にも負担が多いので、怖がらずに早めにお薬を飲んで苦痛を取り除くことが最善です。
ただ、同じ成分の痛み止めを続けて使っていると慣れが生じて効果を感じにくくなる場合はありますので、その場合は違う成分の痛み止めを使うようにしましょう。
こんな時は病院へ!
痛み止めは手元にあれば、症状が急に出た時にサッと使えて辛い症状を和らげてくれます。痛みを我慢して時間を過ごすのは精神的にも身体的にも辛いですから、本当に助かります。しかし、痛みはその後ろに隠れているほかの病気のサインの可能性もあります。
それを痛み止めで抑えていても元の病気が悪化してしまうことがありますので、次のようなときは早めに病院へ行くようにしましょう。
- 日常生活に支障が出るほど痛む
- 今までと違う痛み方をする
- 鎮痛剤が効かなくなった。
- 痛み以外に症状が出る。
いかがでしたか。
痛み止めは市販のお薬の中でも比較的よく使われるもののひとつです。
痛みが治まれば何でもよいというのではなく、少し自分自身の痛みの性質や身体の状態などを考えて自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
分からない場合などは町の薬局の薬剤師さんに相談するのも良い方法です。
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